『ラウンジを開業したい』
『ラウンジとスナック・キャバクラとの違いは?』
『ラウンジについて調べてたら風営法とやらが出てきたけどよく分からない…』
このサイトを見ている方は上記のような理由で調べているのではないでしょうか?どのような理由があれど、夜のお店を経営していくのであれば、風営法と風俗営業許可は必ず押さえておかなければいけません。
そこで本記事ではラウンジに必要な風営法にフォーカスして解説していきます。
解説をするのは風俗営業許可が得意な静岡県浜松市の行政書士である足立悠貴です。
是非最後まで一読下さい。
ラウンジと風俗営業許可|開業前に抑えておく風営法のポイント
ラウンジとスナックは何が違う?
結論から言ってしまうとスナックとラウンジの違いは接客スタイルです。
両方行ったことが無い方はイメージが沸かないかもしれませんが、一般的にスナックというとカウンター越しにキャストがいてそこからお客さんにお酒を提供して会話を楽しむ。これがスナックです。
対してラウンジは、ソファーやボックス席があってキャストが横に座ってお客さんと会話を楽しむスタイルです。
つまり【カウンター越しに接客するか横に座って接客するか】の違いです。『なんだそんなことか』と思う方もいるかもしれませんが、風営法において大きな差です。風営法ではお客さんに対してお酌をしたり、煙草に火をつけたり、長時間会話を楽しむことを接待行為と呼び。接待行為をする場合は風俗営業許可(1号営業)を取得しなければいけない決まりになっています。
なのでラウンジのようにお客さんの横に座って接客をする場合は接待行為にあたり、キャバクラやホストクラブと同様に風俗営業許可(1号営業)が必要になる訳です。
ココがポイント
補足ですが、誤解の無いように説明すると【カウンター越しの接客は接待行為に該当しない】という訳ではありません。
あくまで接待行為にならない可能性が高いというだけです。
この辺りのことは接待行為とは何か?|キャストさん必見ですで詳しく紹介しているのでそちらを参考に。
ラウンジには風俗営業許可(第1号営業)が必要|押さえるべきポイントは?
上記で説明したようにラウンジと言う営業形態をとる以上は風俗営業許可を取得する必要があります。当サイトでもたびたび紹介していますが、風俗営業許可を取得するのは非常に難しいです。行政書士の中でも『風俗営業許可はやりたくない』と言う方がいるくらいですから、許可の難易度は高いと思ってください。
とはいえ、ここを避けては通れません。そこで以下では風俗営業許可を取得する為に抑えるべきポイントを3つ紹介します。
- 立地の要件
- 人の要件
- 構造の要件
ここだけは最低限押さえておきましょう。
ラウンジの開業前に|立地を確認
想像して欲しいのですが、小学校や病院の近くでキャバクラやスナックを営業したらどうでしょう?少年たちに良い影響を与えると思う方はすくないはずです。
風俗営業許可には用地地域といって営業を制限されている地域があります。制限されている用途地域は各自治体によって異なることがあります。ここでは当事務所のある静岡県を参考に紹介します。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
『見てもさっぱり分からない』と思う方がほとんどでしょう。こればっかりは私も住所を聞いただけでは即答はできません。正確に把握したいのであればお住まいの住所地の都市計画課に問い合わせればすぐに知ることが出来ます。
また保護対象施設と言って一定の指定された施設周辺では風俗営業ができないようになっています。以下の通りです。
- 学校
- 図書館
- 病院
- 児童福祉施設
これらの施設が開業予定の店舗の周囲100m以内の地域(当該営業所が商業地域に所在することとなる場合にあっては、当該施設の敷地の周囲50m以内の地域)にある場合は開業することが出来ません。
ココに注意
実際に申請する際にはこれらの施設が近くに無いか地図上だけではなく歩いてみて回る必要があります。
時間はかかりますが必ず確認をしましょう。
ラウンジの開業前に|欠格事由について
風俗営業許可には『該当する人は許可を出せませんよ』という欠格要件があります。Googleで『風俗営業許可 欠格要件』と検索すればご丁寧に長い条文が紹介されますが、ここでは重要なポイントだけ抜粋して紹介します。
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は次に掲げる罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
- 集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある人
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない人(法人の場合、当時役員であっ た人)
- 営業に関し、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
ラウンジの開業前に|店舗の構造について
現在お店の内装について『このソファーを置いて、この絵を置いて』と構想している方には耳が痛い話しかもしれませんが、風俗営業許可には構造要件があります。
- 客室床面積 16.5㎡以上(和室は9.5㎡以上)
- 営業所の外部から客室が見えないこと
- 客室に見通しを妨げる設備がないこと (ソファーやテーブルなど高さが1m以上あると申請が許可されないので注意)
- 客室内の照度が5ルクスを超えること
- 風俗を害するおそれのある写真・装飾等の設備がないこと
- 騒音・振動の数値が条例で定める数値以下であること
- 客室の出入口(営業所外に直接通ずる出入口は除く)に施錠の設備を設けないこと
客室内の照度が5ルクスを超えることにピンとこない方もいると思うので解説します。5ルクスというのは明るさの単位なのですが、映画が始まる前の証明がおおよそ5ルクス程度です。また証明機具について通称スライダックすと呼ばれるスイッチはNGです。(つまみを回して明るさを調整するやつです)
以下の記事で詳しく説明しています。
ラウンジの営業時間は何時まで?
ラウンジと同様にキャバクラやホストクラブの風俗営業許可は一部の地域を除いて午前0時~午前6時まで営業をすることができません。
当たり前のことですが『まだお客さんが残っているから』やお客を身内と偽って『身内でパーティーしているだけだから』といった言い訳は通用しませんのでご注意下さい。
最後に|風俗営業許可は難しいので行政書士に任せた方が楽
本記事ではラウンジとの営業形態と風俗営業許可を取得する為に最低限押さえるべきポイントを紹介しました。
先述したように風俗営業許可は行政書士業務の中でも難易度が高く敬遠されがちです。警察の厳しい審査と図面の作成に経験と知識が必要なため他の許認可と比較しても許可を受けるまでの時間と手間が非常にかかります。
もちろん中には自身で申請をしてしまう方もいるくらいですから、行政書士に高額な費用を払わずとも許可を受けることは可能です。しかし開業前の忙しい時に煩わしい業務をやりたくないので経験のある行政書士に丸投げした方がはるかに楽なのも事実です。
こればかりは私が決めることではないので、このサイトをご覧になっているあなたが自分で申請できそうなのか?それとも行政書士に任せた方が良いのか?きちんと判断をして下さい。